« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »

2008年11月29日 (土)

「ビート・ザ・ドラム」

エイズへの恐怖と、それに向き合う勇気を描いた映画です。

私は京都市に住んでいますが、京都市のHIV検査体制はひどいものです。各区役所では週に一回、平日に1時間か2時間しか受け付けません。全部の区役所で検査をやってますと言うためだけの体制です。どこを見てなんのために仕事をしているのか。
だいたい京都みたいな小さい市に区役所が多すぎるからこんなことになるのです。

その区役所に行ってもHIV検査の案内など出ていません。受付まで行っても職員は全員席に座ったまま応対に来ない。遠くの席から横目でこちらを見て「何ですか」ときやがった。「HIVの検査に来たんですけど!」と大声で言ったらすっとんできました。こちとら納税者だ。きさまらが席に座って今飲んでいたそのお茶の金まで払っている納税者様だ。職務怠慢なきさまらのバカ高い給料のために毎日へとへとになるまで働いている納税者さまさまだ。何だその態度は。ちったあ税務署を見習え。人を見たら納税者だと思え。"納税者に感謝しよう"と職場に横断幕を掲げろ。入口には"納税者の胸像"を立てて毎日一礼しろ。

自分たちの通勤のために地下鉄を掘る金があるなら、HIVの検査に振り向けなさい。京都市でHIV感染者が増えたら、それは京都市職員が原因です。

「ビート・ザ・ドラム」のあらすじ
南アフリカの農村では、大人が次々と死んでいく。呪いだといって、残された家族まで差別されてしまう。

|

2008年11月25日 (火)

「シッコ」

あのマイケル・ムーア監督の作品です。今回の素材はアメリカの医療保険制度。

この作品とアメリカの大統領選挙戦を見て、アメリカでの共産主義アレルギーとそれを利用する共和党の関係が良くわかります。

バラク・オバマが所得の多い人の税率を上げて富の再分配をすると言ったら、ジョン・マケインは、アメリカが共産主義になってしまって良いのかと、論理のすり替えをしました。

ただ税金の取り方を変えることと共産主義は関係ないのに、共産主義とむすびつけて、全体主義社会の恐怖を想像させる。わざとやっているのです。マケインの論点がずれているわけではなくて、わざとずらしているのです。

税金が安い方が支持を得られやすいけど、金持ち優遇や、少ない福祉の言い訳が必要になります。そこで共和党は共産主義への恐怖を利用しているのです。貧乏人と病人を冷遇することは、民主主義のためなのだ、愛国心なのだ、自由のためなのだという作戦です。
その辺をわかっていても指摘できないでいる民主党を見ると、アメリカの共産主義アレルギーは相当強いことがうかがい知れます。

それにしても、この程度の情報ならニュース番組でやってもよさそうです。それが一本の映画になるなんて、アメリカ人は外国に興味がないことも良くわかります。

「シッコ」のあらすじ
アメリカの医療保険制度がなぜひどいのか、なぜ国民皆保険制度がないのか、マイケル・ムーアが外国の制度と比較する。

|

2008年11月21日 (金)

「サイダー・ハウス・ルール」

規則や倫理といったルールがこの映画の一つのテーマです。ルールを守れない弱い心と、ルールをあえて破る強い心。人の心を描きます。

もう一つのテーマが人生。自分の進む方向が、意思に反して決まってしまうと受け入れがたい。そして自分でその道を受け入れると決めた瞬間の気持ちの変化がよく描かれています。あきらめとはちょっと違うこの感じ。ストーリーとテーマが良く練られています。

「サイダー・ハウス・ルール」のあらすじ
孤児院で生まれ、育った少年は、医師の手伝いをする毎日。彼は街の外に出たことがない。

|

2008年11月18日 (火)

「オール・ザ・キングスメン」

地方の汚職を題材にしています。

日本では地方への権限委譲がすこしずつ進められていますが、大丈夫でしょうか。建設業が支配する議会、公共工事で赤字が膨らんで何もできない自治体。

非正規雇用で汗かいて働いている人がたくさんいて、その税金をちょろまかす役人と、土建屋と、ハエのようにたかるやつら。

やっぱり投票率が50%や60%じゃ悪い奴等の思いのままです。国だろうが地方だろうが関係有ません。投票に行かないのが悪い。自業自得です。

「オール・ザ・キングスメン」のあらすじ
メーソン市で出納係をしている男は、公共工事にからむ汚職を暴露して人気が出た。今度はルイジアナ州の知事に立候補する。

|

2008年11月14日 (金)

「タロットカード殺人事件」

ウディ・アレン監督作品。この作品にはウディ・アレンがでてきます。またもや舞台がロンドンで、クラシック音楽が流れるのは前作と同じ。

この作品は、いつものウディ・アレンらしい作品です。軽くドタバタがあって、ジョークの連発がある。

しかしスカーレット・ヨハンソンが、ジョークをとばすウディ・アレンをつまらないと言って叱ります。ウディ・アレンが今までの作品には本気で出していたジョークを、売れない芸人のジョークとしているのは、年もとったから自分を客観視できているのかもしれません。

「タロットカード殺人事件」のあらすじ
ロンドンで黒髪の娼婦だけが狙われる連続殺人が起きていた。いくつものスクープをものにしてきた記者は、死後の世界で犯人に関する情報を得た。

|

2008年11月10日 (月)

「Little DJ 小さな恋の物語」

またもや"病気モノ"の日本映画。さすがの神木隆之介でも、この脚本はどうにもできません。少年自身の死んでしまうことへの感情がぽっかり抜けています。この映画は"感動的"なんですよ、そういう映画なんですよとでも言っているような雰囲気が感じられます。雰囲気だけ作って、肝心なところが、失敗というより力不足。

病気を題材にした映画が多いのは、"感動的"な映画にしやすくてヒットが望めるからでしょうか。しかし、重い病気の人が周りにいたり、自分自身が病気をもっている人は案外いるはずです。映画を作っている人たちが考えているよりも、病気や死は日常的な出来事なのです。「酒井家のしあわせ」も病気モノですが、"感動的"の押し売りが少なく、面白かったです。

こんな映画では、この病気で苦しんでいる人に失礼です。

「Little DJ 小さな恋の物語」のあらすじ
ラジオ好きの少年が、病気で入院した。彼は病院の館内放送でDJを始めた。

|

2008年11月 8日 (土)

「ゆれる」

ストーリーの曖昧さが面白い映画です。登場人物の言動が、状況と立場によって複雑に変わるところが見どころです。役者にしてみると、単純なキャラクターではないので難しい演技だと思います。香川照之、オダギリ ジョーの二人が熱演です。

キム兄演じる検察官が鋭く追求するという設定で、登場人物の感情を描くことに成功しています。キム兄の感情を出さないセリフと、感情が見えてくる、セリフのない表情という演出もよくできています。

「ゆれる」のあらすじ
東京でカメラマンをしている男が、母の葬儀で田舎に帰った。真面目な兄は、父とガソリンスタンドを経営している。

|

2008年11月 6日 (木)

「星になった少年」

いい役者が揃っています。特に常盤貴子は文句なしです。

しかし映画を作る人が、何を描きたいのかがはっきりしません。この作品なら、母子の問題にもっと焦点を絞ったら面白くなったのではないでしょうか。
ゾウとの意思疎通、いじめ、父との関係、タイでの友情、いろいろと出てくるのでどれも中途半端になっています。

「星になった少年」のあらすじ
いじめられっ子の中学生が、ゾウ使いになるためにタイの学校に行く。

|

2008年11月 3日 (月)

「マッチポイント」

ウディ・アレン監督作品。ウディ・アレンが出てきません。感情の機微を描いた珍しくシリアスな映画です。舞台がロンドンで、音楽がいつものジャズではなくクラシックというのも珍しいです。

先日読んだウディ・アレンのインタビュー記事で、彼自身が「セプテンバー」を気に入っていないことが書いてありました。「セプテンバー」はウディ・アレンが出てこなくて、ガチガチにシリアスな傑作。意外でした。

ウディ・アレン作品は脚本が素晴らしいです。複数の人が同時に話すというのは日常では普通のことですが、映画ではなかなか見られません。台本がどうなっているのか見てみたいです。

サスペンスとしてもよくできた作品です。

「マッチポイント」のあらすじ
元プロのテニスプレーヤーはロンドンの会員制クラブでコーチを始めた。大金持ちの生徒からオペラ鑑賞に誘われた。

|

2008年11月 1日 (土)

「バティニョールおじさん」

この映画を作った人は、ナチスに協力的だったフランス人も数多くいたということを言いたかったのだと思います。

占領されているのだからやむをえないのかもしれませんが、官僚に限らず市民までがナチスに協力していたということは、フランス人には見たくない事実でしょう。

おじさん役は、コメディでよくみる役者さんですが好演しています。「ライフ・イズ・ビューティフル」、「シンドラーのリスト」のようなお涙頂戴、ホロコーストを金儲けの題材としか見ていない映画とは違って、よくできています。

「バティニョールおじさん」のあらすじ
ドイツ占領下のパリで精肉店を営む男。隣に住むユダヤ人医師がナチスに連行された。

|

« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »